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親族相続法の私家版復習ノート
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第5編 相続 第4章 相続の承認及び放棄

第1節 総則

相続は、
権利であって義務ではない。


  
第915条 (相続の承認又は放棄をすべき期間)

① 相続人は、
 自己のために相続の開始があったことを知った時から
 三箇月以内に、
 相続について、
 単純若しくは限定の承認又は
 放棄をしなければならない。
 ただし、
 この期間は、
 利害関係人又は検察官の請求によって、
 家庭裁判所において
 伸張することができる。

② 相続人は、
 相続の承認又は放棄をする前に、
 相続財産の調査をすることができる。


・ 被相続人の死亡によって
 自分が相続人となったことを知ったときからである。
・ 相続人が法律の不知または事実の誤認のために、
 自己が相続人となったことを知らなかったときには、 
 期間は進行しない。
・ 相続人が数人いる場合は、
 それぞれの起算点が違うことがある。

限定承認・・・922~
放棄・・・938~

・ 限定承認か放棄をしなければ、
 単純承認をしたものとみなされる。

・ 利害関係人
 被相続人の債権者や
 相続人の債権者など。

・ 期間を延長できる場合
 相続財産が複雑であり、+-の
 算定が難しい場合や、
 共同相続人の一人が遠方に居て、
 協議することが困難な場合等。

 

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  第916条 (相続の承認又は放棄をすべき期間2)

相続人が
相続の承認又は放棄をしないで死亡したときは、
前条第一項の期間は、
その者の相続人が
自己のために相続の開始があったことを知ったときから
起算する。

 

・ 祖父―父―孫の関係でいうと、
 祖父が死亡し、その相続人となった父が
 祖父の死亡のときから三ヶ月以内に
 承認も放棄もせずに死亡した場合、
 孫は、
 祖父―父の相続についても
 父が亡くなった時から三ヶ月以内に、
 承認・放棄をすればよい。


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  第917条 (相続の承認又は放棄をすべき期間3)

相続人が
未成年者又は成年被後見人であるときは、
第915条第1項の期間は、
その法定代理人が
未成年者又は成年被後見人のために
相続の開始があったことを知った時から
起算する。


・ 成年被後見人が回復した場合には、
 その者について三ヶ月を計算する。

・ 意思能力のある未成年者は、
 親権者の同意を得て、
 自ら承認や放棄をすることも可能。

  第918条 (相続財産の管理)

① 相続人は、
 その固有財産におけるのと同一の注意をもって、
 相続財産を管理しなければならない。
 ただし、
 相続の承認又は放棄をしたときは、
 この限りでない。

② 家庭裁判所は、
 利害関係人又は検察官の請求によって、
 いつでも、
 相続財産の保存に必要な処分を
 命ずることができる。

③ 第27条から第29条までの規定は、
 前項の規定により
 家庭裁判所が
 相続財産の管理人を選任した場合について
 準用する。


・ 固有財産におけるのと同一の注意
 =自己の財産に対するのと同一の注意(659)

・ 承認又は放棄をした場合でも、
 管理義務が全くなくなるということではなく、
 それぞれの選択により管理義務は異なる。

・ 限定承認をした場合
 同一の注意義務を持って管理(926)。
・ 放棄をした場合
 その放棄によって他の相続人となった者が、
 管理を始めることができるまで、
 管理を続ける必要がある(940)。
・ 単純承認をした場合
 注意義務は消滅するが、
 財産分離の請求があれば、
 同一の管理義務が続く(944,950)。

・27~29(不在者の財産管理人の規定)。

  第919条 (相続の承認及び放棄の撤回及び取消し)

① 相続の承認及び放棄は、
 第915条第1項の期間内でも、
 撤回することができない。

② 前項の規定は、
 第一編(総則)及び前編(親族)の規定により
 相続の承認又は放棄の取り消しをすることを
 妨げない。

③ 前項の取消権は、
 追認をすることができる時から
 六箇月間行使しないときは、
 時効によって消滅する。
 相続の承認又は放棄の時から
 十年を経過したときも、
 同様とする。

④ 第二項の規定により
 限定承認又は相続の放棄の
 取消しをしようとする者は、
 その旨を
 家庭裁判所に申述しなければならない。


・ 相続の承認・放棄は、
 原則として撤回・取消しできないが、
 未成年者(4条)や
 成年被後見人(9条)が、
 単独で相続の承認を行ってしまった場合等や、
 詐欺・脅迫(96条)による相続の放棄などが
 あった場合には、
 取消しすることが許される。


・ 限定承認と放棄は、
 家庭裁判所に申し出ることによりなるのだから、
 その取消しも、
 家庭裁判所に対する申し出が必要。


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第2節 相続の承認


  第920条 (単純承認の効力)

相続人は、
単純承認をしたときは、
無限に被相続人の権利義務を承継する。


・ 単純承認は、
 積極的にその意思表示をした場合だけではなく、
 915の3ヶ月の期間内に
 限定承認も放棄もしなければ、あるいは、
 921条に定める事実によって、
 単純承認をしたものとみなされる。
・ 単純承認をするのに
 特別な手続きは必要ない。

・ 「無限に」=無条件、無制限
 相続財産が債務超過の場合には、
 相続人は自分の財産で、
 マイナスの相続財産を
 負担しなければならない。

  第921条 (法定単純承認)

次に掲げる場合には、
相続人は、
単純承認をしたものとみなす。

1 相続人が
 相続財産の全部又は一部を処分したとき。
 ただし、
 保存行為及び
 第602条に定める期間を超えない賃貸をすることは、
 この限りでない。

2 相続人が
 第915条第1項の期間内に
 限定承認又は相続の放棄を
 しなかったとき。

3 相続人が、
 限定承認又は相続の放棄をした後であっても、
 相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、
 私にこれを消費し、又は
 悪意でこれを相続財産の目録中に
 記載しなかったとき。
 ただし、
 その相続人が相続の放棄をしたことによって
 相続人となった者が
 相続の承認をした後は、
 この限りでない。

・ 法定単純承認には、
 相続人の単純承認をする意思の有無に関係なく
 その効果を生じさせる規定。

・ 602(短期賃貸借)
 建物の賃貸借・・・3年 etc

・ 相続人の一人(喪主)が、
 相続財産から葬式費用を払っても、
 単純承認をしたことにはならない。

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  第922条 (限定承認)

相続人は、
相続によって得た財産の限度においてのみ
被相続人の債務及び遺贈を
弁済すべきことを留保して、
相続の承認をすることができる。


・ 被相続人が残した財産と
 相続人固有の財産が混然一体となるのではなく、
 それぞれ別の財産として管理され、
 相続財産の負債に対しては
 相続財産だけが責任を負い、
 相続人の固有の財産は
 責任を負わない場合。
 つまり、
 相続人の固有財産を持ち出してまで
 被相続人の負債を支払う必要がない。

・ 相続人が数人あるときは、
 そのうちの一部の者だけが限定承認することは許されず、
 全員が共同してしなければならない。

・ 被相続人の負債の保証人の責任は、
 限定承認があっても縮まることはない。

・ 限定承認があった場合でも、
 相続債権者は、
 相続人に対して負債の全部について請求できるが、
 強制執行は
 相続財産の限度まで。


4月も失礼・・・

  第923条 (共同相続人の限定承認)

相続人が数人あるときは、
限定承認は、
共同相続人の全員が共同してのみ
これをすることができる。


・ ex.
 3人の相続人のうち
 2人が相続の放棄をした場合、
 残された相続人一人が限定承認をすることは
 可能。
 936条・・・放棄した相続人は
 はじめから相続人でなかったことになるので。

  第924条 (限定承認の方式)

相続人は、
限定承認をしようとするときは、
第915条第1項の期間内に、
相続財産の目録を作成して
家庭裁判所に提出し、
限定承認をする旨を
申述しなければならない。

 

・ 915条第1項・・・3か月
 915条、916条、917条により延長可。

・ 相続財産に含まれるものは、
 全て財産目録に記載しなければ、
 単純承認したものとみなされる(921条3号)。

・ 限定承認の申述は、
 被相続人の住所地または
 相続開始地の家庭裁判所へ。



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