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親族相続法の私家版復習ノート
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pre 第7条~
 
 
第838条から、「第5章 後見」が始まりますが、
それらの条文をあたる前に
「第2章 人 第2節 行為能力」の中から
関連する条文(7~21)を抜き出しておきます。



  第7条 (後見開始の審判)

精神上の障害により
事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、
家庭裁判所は、
本人、配偶者、四親等内の親族、
未成年後見人、未成年後見監督人、
保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人
又は検察官の請求により、
後見開始の審判をすることができる。

・ 裁判で意思能力がなかったから無効であるというためには、
 意思能力がなかったことを証明しなければならないが、容易ではない。
 後見開始の審判がなされることにより、
 後見登記等ファイルに登記され、
 意思能力がなかったことが証明される。
 
 

  第8条 (成年被後見人及び成年後見人)

後見開始の審判を受けたものは、成年被後見人とし、
これに成年後見人を付する。



  
第9条 (成年被後見人の法律行為)

成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。
ただし、
日用品の購入
その他日常生活に関する行為については、
この限りでない。
 
 
・ 一定の限度での自己決定権の尊重
・成年被後見人と取引の相手方の保護の両立を図る
 
 

  
第10条 (後見開始の審判の取消し)

第7条に規定する原因が消滅したときは、
家庭裁判所は、
本人、配偶者、四親等内の親族、
後見人(未成年後見人及び成年後見人をいう。以下同じ。)、
後見監督人(未成年後見監督人及び成年後見監督人をいう。以下同じ。)
又は検察官の請求により、
後見開始の審判を取り消さなければならない。
 
・ 意思能力が回復した場合の規定

 
 
  第11条 (保佐開始の審判)

精神上の障害により
事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、
家庭裁判所は、
本人、配偶者、四親等内の親族、
後見人、後見監督人、補助人、補助監督人
又は検察官の請求により、
保佐開始の審判をすることができる。
ただし、
第7条に規定する原因がある者については、
この限りでない。

 
・ 成年被後見人と違い、
 意思能力を欠くとまでは言えないものの、
 財産の管理についての判断能力が非常に低い者
 
 

  第12条 (被保佐人及び保佐人)

保佐開始の審判を受けた者は、被保佐人とし、
これに保佐人を付する。


  
第13条 (保佐人の同意を要する行為等)

① 被保佐人が次に掲げる行為をするには、
 その保佐人の同意を得なければならない。
 ただし、
 第9条但し書きに規定する行為については、この限りでない。
1 元本を領収し、又は利用すること。
2 借財又は保証をすること。
3 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
4 訴訟行為をすること。
5 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
6 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
7 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、
 又は負担付遺贈を承認すること。
8 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
9 第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。

② 家庭裁判所は、
 第11条本文に規定するもの又は
 保佐人若しくは保佐監督人の請求により、
 被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であっても
 その保佐人の同意を得なえればならない旨の審判をすることができる。
 ただし、
 第9条但書きに規定する行為については、この限りでない。
 
③ 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が
 被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず
 同意をしないときは、
 家庭裁判所は、被保佐人の請求により、
 保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。

④ 保佐人の同意を得なければならない行為であって、
 その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、
 取り消すことができる。

 
・ 被保佐人が保佐人の同意が必要な行為を単独でした場合、
 保佐人又は被保佐人自身が
 これを取り消すことができる。
 
 
  
  第14条 (保佐開始の審判等の取消し)

① 第11条本文に規定する原因が消滅したときは、
 家庭裁判所は、
 本人、配偶者、四親等内の親族、
 未成年後見人、未成年後見監督人、
 保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、
 保佐開始の審判を取り消さなければならない。

② 家庭裁判所は、前項の規定する者の請求により、 
 前条第2項の審判の全部又は一部を
 取り消すことができる。


・ 判断能力が著しく不十分である状態から回復した場合
 
 

  第15条 (補助開始の審判)

① 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、
 家庭裁判所は、
 本人、配偶者、四親等内の親族、
 後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人
 又は検察官の請求により、
 補助開始の審判をすることができる。
 ただし、
 第7条又は第11条に規定する原因がある者については、
 この限りでない。

② 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、
 本人の同意が無ければならない。

③ 補助開始の審判は、
 第17条第1項の審判又は
 第876条の9第1項の審判とともにしなければならない。


・ 意思能力又は財産管理に関する判断能力を欠いているとは言えず、
 非常に低いとも言えないものの、
 衰えていると言わざるを得ないもの。
 
・ ⅰ=特定の法律行為について、補助人の同意を必要とする
  ⅱ=特定の法律行為について、補助人を法定代理人とする
  ⅲ=ⅰとⅱの両方
 の3パターン(17条1、876条の9第1項)
 
 

  
第16条 (被補助人及び補助人)

補助開始の審判を受けた者は、被補助人とし、
これに補助人を付する。


  第17条 (補助人の同意を要する旨の審判等)
 
① 家庭裁判所は、
 第15条第1項本文に規定する者又は
 補助人若しくは補助監督人の請求により、
 被補助人が特定の法律行為をするには
 その補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。
 ただし、
 その審判により
 その同意を得なければならないものとすることができる行為は、
 第13条第1項に規定する行為の一部に限る。
② 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、
 本人の同意がなければならない。
 
③ 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が
 被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず
 同意をしないときは、
 家庭裁判所は、被補助人の請求により、
 補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
 
④ 補助人の同意を得なければならない行為であって、
 その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、
 取り消すことができる。
 
 
 
  第18条 (補助開始の審判等の取消し)
 
① 第15条第1項本文に規定する原因が消滅したときは、
 家庭裁判所は、
 本人、配偶者、四親等内の親族、
 未成年後見人、未成年後見監督人、補助人、補助監督人
 又は検察官の請求により、
 補助開始の審判を取り消さなければならない。
 
② 家庭裁判所は、
 前項に規定する者の請求により、
 前条第1項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。
 
③ 前条第1項の審判及び
 第876条の9第1項の審判を全て取り消す場合には、
 家庭裁判所は、
 補助開始の審判を取り消さなければならない。
 
 
 
  第19条 (審判相互の関係)
 
① 後見開始の審判をする場合において、
 本人が被保佐人又は被補助人であるときは、
 家庭裁判所は、その本人に係る
 保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない。
 
② 前項の規定は、
 保佐開始の審判をする場合において
 本人が成年被後見人若しくは被補助人であるとき、
 又は補助開始の審判をする場合において
 本人が成年被後見人若しくは被保佐人であるときについて
 準用する。
 
 
・ 後見開始・保佐開始・補助開始の審判が重複しないように
 
 
 
  第20条 (制限行為能力者の相手方の催告権)
 
① 制限行為能力者
 (未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう)
 の相手方は、
 その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けないものをいう。)となった後、
 その者に対し、一箇月以上の期間を定めて、
 その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを
 確答すべき旨の催告をすることができる。
 この場合において、
 その者がその期間内に確答を発しないときは、
 その行為を追認したものとみなす。
 
② 制限行為能力者の相手方が、
 制限行為能力者が行為能力者とならない間に、
 その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、
 その期限内の行為について
 前項に規定する催告をした場合において、
 これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、
 同行後段と同様とする。
 
③ 特別の方式を要する行為については、
 前二項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、
 その行為を取り消したものとみなす。
 
④ 制限行為能力者の相手方は、
 被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、
 第1項の期間内に
 その保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。
 この場合において、
 その被保佐人又は被補助人がその期間内に
 その追認を得た旨の通知を発しないときは、
 その行為を取り消したものとみなす。
 
 
 
  第21条 (制限行為能力者の詐術)
 
制限行為能力者が
行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、
その行為を取り消すことができない。
 
 
・ こういった場合、実際にはどうなるんでしょうか・・・
 
 
 
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第5章 後見 第1節 後見の開始

  第838条 (後見の開始)

後見は、次に掲げる場合に開始する。

1 未成年者に対して親権を行う者がないとき、
  又は親権を行う者が管理権を有しないとき。

2 後見開始の審判があったとき。


・ 判断能力(事理弁識能力)の十分でない者が不利益を受けることがないように、
 法的に保護しようとする制度。

・ 未成年者に対する親権者に代わる保護者=未成年後見人。1号。
・ 精神上の障害により事理弁識能力を欠くため、
 家庭裁判所によって後見開始の審判を受けた者のために、
 その生活、療養看護、財産管理に関する事務を代わって行う者(成年後見人)を
 選任することを成年後見。2号。

・ 子の父母が死亡したり、精神病で意思を失った場合、又
 親権喪失宣告(834条)、親権の辞退(837条1項)等の場合。
・ 親権者が財産管理権を失った場合(835条、837条)も
 財産管理についての未成年後見人が就職する。

・ 家庭裁判所の審判によってではなく、
 本人の意思が明確なうちに
 後見人を本人の意思によって選任しておく制度は
 「任意後見契約に関する法律」による。

 

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