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親族相続法の私家版復習ノート
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第2章 相続人


  第886条 (相続に関する胎児の権利能力)

① 胎児は、
 相続については、
 既に生れたものとみなす。

② 前項の規定は、
 胎児が死体で生れたときは、適用しない。

停止条件


・ 血族相続人と配偶者相続人

・ 原則は、
 3条1項(私権の享有は、出生に始まる。) ですが、
 胎児は同時存在の原則を破り、
 生れればOK。

 不法行為における損害賠償請求や(721)
 遺贈を受ける資格に関する規定(965)
 も、例外。

・ 実際には、胎児の出産まで遺産分割を待つのが懸命。
 907条3項

・ 生きて生れれば、例えすぐに死んでも相続人である。
 まず、生れてすぐに死んだ子が相続人となり相続し、
 次に、この子を被相続人とする相続が始まる。

・ 胎児の父が、
 欠格や廃除により相続の資格を失っている場合でも
 生きて生れれば、
 祖父母を相続できる。

120512 ※ 相続税には未成年者控除・障害者控除がある。


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  第887条 (子及びその代襲者等の相続権)

① 相続人の子は、相続人となる。

② 被相続人の子が、
 相続の開始以前に死亡したとき、又は
 第891条の規定に該当し、
 若しくは廃除によって、
 その相続権を失ったときは、
 その者の子がこれを代襲して相続人となる。
 ただし、
 被相続人の直系卑属でない者は、
 この限りでない。

③ 前項の規定は、
 代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は
 第891条の規定に該当し、若しくは
 廃除によって、
 その代襲相続権を失った場合について準用する。


本位相続と代襲相続

・ 891条(相続人の欠格事由)

・ つまり第1順位の相続人は子であり、
 その子が被相続人より先になくなっている場合で、
 その子に子(被相続人の孫)がいる場合は、
 その子の子(被相続人の孫)が相続人となる。

・ 男女の別、長幼、既婚と未婚、
 実子と養子、嫡出と嫡出でない子、
 戸籍の異同は、
 相続順位に影響を与えない。

・ 養子が養親の実子と結婚した場合は、
 それぞれ独立して一人分ずつ子として相続する。

・ 離婚した父母の子の
 父母双方に対する相続権は、
 離婚していない父母の子である場合と
 同じである。

・ 非嫡出子であっても、
 母の相続は当然であるし、
 父の認知によって、
 父の相続も出来るが、
 嫡出子とともに相続する場合は、
 相続分が嫡出子の2分の1となる。


 相続されるものとの間の二重身分関係

・ 被相続人の孫が、被相続人の養子になっている場合で、
 その養子の実親が
 被相続人よりも先に死亡している場合、
 その養子には、
 養子としての相続分と
 実親の代襲相続人としての相続分がある。

・ 兄弟の弟が兄の養子になっている場合、
 被相続人の子としての相続権が優先する。
 養子は養親と実親の双方に対して相続権がある。

 
 
事実上の親子であっても、
 法律上の親子関係がないために
 相続権が発生しない場合

・ 先妻の子と後妻、先夫の子と後夫
 姻族一親等の関係であり、
 血族としての親子関係は無い。

・ 父に認知された子は、
 父の妻(昔の嫡母)との間に親子関係は無いから、
 父の妻を相続できない。


・ 代襲相続
 相続人が早世した場合。
 欠格、廃除により相続権を失った場合。

 相続人が相続放棄した場合は、
 代襲相続できない。代襲相続はない(被相続人が債務超過の場合など)。

 離縁された子には、
 相続権、代襲相続ともに発生しない。

・ 配偶者の一方が、
 他方を代襲することはできない。

・ 代襲する孫は、
 代襲される子が早世あるいは
 欠格、廃除になった時に
 生れている必要はない。

・ 被相続人と養子縁組した子Aにおける、
 養子縁組前に生れたAの子には
 被相続人を代襲相続できない。
 養子縁組後に生れたAの子は、
 被相続人を代襲相続できる。

・ 孫を養子にした場合、その孫が養子の地位と代襲相続人の地位を兼ねる場合には、相続税の2割加算の対象とはならない。(120512)

・ 2割加算は、一親等の血族と配偶者以外の相続人と受遺者。

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  第888条 (代襲相続)

887条の修正により、

削除であります。 ふ~~~っ・・・

一回休み!

  第889条 (直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)

① 次に掲げる者は、
 第887条(子及びその代襲者等の相続権)の規定により
 相続人となるべき者がない場合には、
 次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
1 被相続人の直系尊属。
 ただし、
 親等の異なる者の間では、
 その近い者を先にする。
2 被相続人の兄弟姉妹

② 第887条第二項の規定は、
 前項第二号の場合について準用する。


※ 第887条3項は準用されない。
 つまり、兄弟姉妹の子どもまでが代襲相続人。
 相続関係の複雑化を防ぐため。


・ 本条と887条により、相続順位が決められる。
 つまり、
 第1順位・・・直系卑属(子・孫等)
 第2順位・・・直系尊属(父母・祖父母等)
 第3順位・・・兄弟姉妹

・ 被相続人に子孫がない場合や、
 子孫があっても欠格者、廃除された者である場合や、
 相続権を持つ全ての子孫が相続を放棄した場合に、
 直系尊属が相続人となる。

・ 被相続人に子がなく、
 母だけ生存しており、
 祖父母も生存している場合は、
 相続人は母だけとなる(配偶者は別)。

・ 直系尊属には代襲相続はない。
 例えば、
 普通養子の場合、
 養父母がともに死亡して養子が遺産を相続した後、
 妻子無しで死亡すれば、
 養子の遺産は、
 養家の祖父母が生存していても、
 実父母が全て相続する。

・ 親等の同じものは一緒に相続する。
 つまり、
 普通養子の場合、
 養父母と実父母の区別はなく、
 ともに生存していれば、相続人は4人。
 特別養子の場合は、実親は相続人となれない。

 また、
 母方の祖父母と父方の祖父母の区別もない。

年末は頑張って遅れを取り戻すつもりでしたが、
あっという間に、モ~ 6日。
光陰 いや~ん のごとし!
失礼しました。

 

例えば、
 子のない夫婦の一方が亡くなり
 のこされた配偶者と、なくなった配偶者の兄弟姉妹が相続人となる場合、
 甥や姪まで相続人となることもあるから、大変な相続となります。
 被相続人の兄弟姉妹には遺留分(後述)がありませんから、
 このようなケースでは遺言を作成しておくべきだと思います。(120512)

 

遺言の作成支援(福岡)

  第890条 (配偶者の相続権)

被相続人の配偶者は、
常に相続人となる。
この場合に於いて、
第887条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、
その者と同順位とする。


887~889は、血族相続人についての規定。
890は、夫または妻であった者についての規定。

血族相続人には順位(子 → 親 → 兄弟)があるが、
配偶者は、常に相続人となる。


・ 配偶者とは法律上、戸籍上の配偶者であり、
 内縁の配偶者は含まれない。

・ 離婚直後に被相続人が死亡した場合でも、
 離婚してしまえば、
 相続権はない。

・ 742(婚姻の無効)の場合は、相続できない。
・ 731~736(取消すことが出来る婚姻)の場合は、
 取消しを認める判決がない限り、相続できる。

・ 被相続人と重婚関係にあったAとBは、
 二人とも配偶者として相続できる。
 しかし、
 AorBのいずれかが、
 婚姻の取消しを求める請求をし認められれば、
 取消された側は、
 相続することが出来ない。


・ 血族相続人をその配偶者が代襲相続することはない。
 被相続人の長男の嫁は、
 長男が被相続人より先に死亡していたとしても、
 何らの相続権もない。

・ 配偶者の相続権をその血族が代襲することもない。
 A男の妻Bの連れ子bは、
 BがA男より先に死亡していたとしても、
 A男の相続人とはなれない。
 しかし、
 A男がbを養子にしていれば、
 bは当然に、A男を相続できる。

 配偶者に対する相続税の軽減措置
 ・ 配偶者の相続した財産額が法定相続分内に収まっていれば、
  納税額は算出されない。
  ex. 配偶者のみが相続人であれば数億円の遺産があっても相続税は課税されない。
 ・ 法定相続分を超える遺産を配偶者が相続したとしても、
  1億6千万円までなら配偶者には相続税は課税されない。
 いずれも相続税の申告期限までに遺産分割が確定している必要がある。

  第891条 (相続人の欠格事由)

次に掲げる者は、相続人となることが出来ない。

1 故意に
 被相続人又は相続について
 先順位若しくは同順位にある者を
 死亡するに至らせ、又は
 至らせようとしたために、
 刑に処せられた者

2 被相続人の殺害されたことを知って、
 これを告発せず、又は
 告訴しなかった者。
 ただし、
 その者に是非の弁別が無いとき、又は
 殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、
 この限りでない。

3 詐欺又は強迫によって、
 被相続人が相続に関する遺言をし、
 撤回し、取り消し、又は変更することを
 妨げた者

4 詐欺又は強迫によって、
 被相続人に相続に関する遺言をさせ、
 撤回させ、取り消させ、又は変更させた者

5 相続に関する被相続人の遺言書を
 偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者


・ 過失致死罪や傷害致死罪などで処罰されても欠格自由にはならない。
 殺人罪・殺人未遂罪などで処罰された場合は、該当する(故意性)。

 起訴されても、
 無罪や情状により刑が免除されれば、
 欠格自由にはあたらない。

 有罪の判決であっても執行猶予が付いた場合は、
 猶予期間を終えれば、
 欠格とはならない。

相続制度は、
死者とその配偶者や一定の血族の間に
緊密な共同関係があることを前提にしているから、
この共同関係を破壊するような非行のあった者にまで、
相続権を認める必要はない。

上記5つ以外の非行は、
相続される者が、
廃除の請求をすることにより、
相続資格がなくなる。


・ 隠匿した場合について
 遺言書の発見を妨げようとする故意と、
 妨げることによって、
 相続を有利に運ぼうとする故意の、
 2重の故意が必要とする判例がある。
 大阪高判昭61.1.14


・ 欠格自由に該当する者は、
 当然に相続する資格を失い、
 遺贈を受ける資格も失う。

 すでに、欠格者が相続しているときは、
 表見相続人に対する
 相続回復請求(884)。

・ 欠格は、
 欠格者の相続権を奪うだけであり、
 欠格者の子や孫が、
 代襲相続することは認められる(887-2)。

・ 欠格者は相続人ではないが、生命保険金を受け取った場合、
 みなし相続財産を受けたことによる相続税の納税義務が生じる。
 この場合の生命保険金の非課税枠の適用はない。(120530)

遺言をのこす

  第892条 (推定相続人の廃除)

遺留分を有する推定相続人
(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、
被相続人に対して虐待をし、若しくは
これに重大な侮辱を加えたとき、又は
推定相続人にその他の著しい非行があったときは、
被相続人は、
その推定相続人の廃除を
家庭裁判所に請求することができる。


遺留分1028~

廃除された者は、遺留分権もない。遺留分を奪う制度。


・ 恣意的な排除が行われないよう、
 家庭裁判所による厳格な調停 → 審判。

 単なる虐待、素行不良、浪費だけでは
 認められ難い。


・ 夫からの
 再三に亘るDVにより死にいたった妻が、
 危急時遺言で夫の排除を申し残した。
 大阪高決昭37.5.11

・ 廃除の請求が出来るのは、
 相続される者だけ。
 遺言ですることも可能(893)。

・ 欠格と異なり、
 廃除された者は、
 遺贈を受けることが出来る。

・ 廃除は取消すことが出来る(894)。

・ 相続人に遺留分がない場合で、
 その者に相続させたくない場合には、
 遺言で処理すればよく、
 排除の手続きをとる必要はない。

・ 廃除の申立人は、廃除確定後10日以内に
 本籍地の市区町村に推定相続人廃除届を提出する。(120531)

・ 廃除された相続人の子には廃除の効果は及ばず、
 代襲相続人として相続権を得る。
 廃除により相続税法的には有利な場合もある。(120820)


 

  第893条 (遺言による推定相続人の廃除)

被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、
遺言執行者は、
その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、
その推定相続人の廃除を
家庭裁判所に請求しなければならない。
この場合において、
その推定相続人の廃除は、
被相続人の死亡のときにさかのぼって
その効力を生ずる。


・ 「廃除」という文言が遺言の中になくても、
 廃除の趣旨が表現されていれば良い。

・ 相続分を0にする指定と相続廃除
   大阪高決昭37.5.11

・ 廃除の審判が確定するまでの遺産の管理は、
 895条

・ 遺言の発見が遅れ、
 既に遺産の分配が終わっている場合等は、
 884(相続回復請求権)。

・ 遺言執行者の指定がない場合は、
 他の相続人などが家裁に遺言執行者の選任請求をする。(120531)

・ 推定相続人が廃除となりその直系卑属がいる場合には
 その者が代襲相続人となるので、基礎控除額が増える場合もある。

  第894条 (推定相続人の廃除の取消し)

① 被相続人は、いつでも、
 推定相続人の廃除の取り消しを
 家庭裁判所に請求することができる。

② 前条の規定は、
 推定相続人の廃除の取消しについて準用する。

 

・ 遺言で廃除の取り消しをする場合には、
 遺言執行者が取消しの審判を申立てる。

・ 廃除を取消す理由は問われない。

・ 廃除の取り消しを請求できるのは、
 相続される者のみ。

・ 廃除の取消しの審判が確定すれば、
 相続が始まったときに遡って、
 相続資格が回復する。

  第895条 (推定相続人の廃除に関する審判確定前の遺産の管理)

① 推定相続人の廃除又は 
 その取り消しの請求があった後
 その審判が確定する前に相続が開始したときは、
 家庭裁判所は、
 親族、利害関係人又は検察官の請求によって、
 遺産の管理について必要な処分を命ずることができる。
 推定相続人の廃除の遺言があったときも、
 同様とする。

② 第27条から第29条までの規定は、
 前項の規定により
 家庭裁判所が遺産の管理人を選任した場合について
 準用する。


不在者の財産管理に関する規定
27条 管理人の職務
28条 管理人の権限
29条 管理人の担保提供及び報酬

 遺産の管理についての必要な処分を
 家庭裁判所に請求できる者
・ 被相続人の親族(相続人でなくても良い)
・ 利害関係を持つ者。
  被相続人の債権者
  相続人の債権者
  遺贈を受けた者
  遺言執行者   など
・ 検察官

・ 遺産の管理人の職務、権限は、
 不在者の財産管理人と同じ。
 将来確定される相続人の法定代理人として
 職務に当たる。


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