忍者ブログ
親族相続法の私家版復習ノート
[1] [2]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  第782条 (成年の子の認知)

成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。


・ 子が親の扶助を必要とするときに子とは認めず、
 手がかからない青年になった後、子から扶養してもらおうといった、
 親の身勝手を許さないため。

戸籍法第38条一項


PR
  第783条 (胎児又は死亡した子の認知)

① 父は、胎内に在る子でも、認知することが出来る。
 子の場合に於いては、母の承諾を得なければならない。

② 父又は母は、死亡した子でも、
 その直系卑属があるときに限り、認知することが出来る。
 この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、
 その承諾を得なければならない。


・ 父が胎児を認知することは、
 子の出生前に父が死亡するような場合に子の利益となる。
・ 母の承諾が必要。
・ 胎児を認知する届出は、胎児の出世後、
 出生届がなされ、戸籍に記載される。

・ 死んだ子に子または孫がある場合には、
 死んだ子の子や、孫の利益にかなうので認知できる。
・ 死んだ子に成年に達した子が数人あり、
 認知を承諾する者、承諾しない者がある場合には、
 父と死んだことの親子関係がまず発生し、
 認知を承諾した者は父の孫となり、そうでない者は、
 孫とはならない(血族関係が発生しない)。


  第784条 (認知の効力)

認知は、出生のときに遡ってその効力を生ずる。
ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。


・ 子として認知することにより、生れてから認知するまでの間も
 当然養育すべき義務を負っていたことになるので、
 母は、その間父が分担すべきであった養育費の支払いを
 請求することはできる。
・ 認知後の養育費については、
 父母の協議又は家庭裁判所の審判による(879条)。

・ 子の後見人によってなされた第三者に対する行為は、
 認知によりはじめから親があることになっても、
 第三者の既に取得した権利は動かない。

・相続開始後の被認知者の遺産分割請求・・・第910条



  第785条 (認知の取消しの禁止)

認知をした父又は母は、その認知を取消すことができない。


・ 認知は親子関係を発生させるものだから、慎重にすべきであり、
 いったん発生した親子関係を不安定なものにしてはならない。
・ 詐欺や強迫によって認知した場合でも、
 本当に親子関係があるのであれば、取消すことができない。
・ 詐欺や強迫によって認知した場合に、
 真実の親子関係がないのであれば、
 認知無効の訴えによって覆すしかない。
・ 認知者の意思に基づかない認知は、
 たとえ真実の親子関係があっても無効である(最高判昭五二・二・一四)。
 


  第786条 (認知に対する反対の事実の主張)

子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することが出来る。


・ 認知によって相続権を失うものや、扶養の義務を負う者。
・ 認知者自身も。
・ 調停前置主義による。



  第787条 (認知の訴え)

子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、
認知の訴えを提議することができる。
ただし、
父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、
この限りでない。


・ 父のほうからすすんでする任意認知と、
 子の方から強制的に認知をさせる強制認知(裁判認知)とがある。
・ 調停前置主義。

・ 嫡出でない子の父が、
 家庭紛争を未然に防ぐために、嫡出でない子やその母に、
 金品を与え、認知の訴えを提起させないように約束させるなど、
 認知請求権を放棄させる契約は、無効である。



  第788条 (認知後の子の監護に関する事項の定め等)

第767条(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)の規定は、
父が認知する場合について準用する。


・ 父が認知しても、認知された子の親権者は、
 母のままとなるのが原則だが、
 父と母が、離婚をしたときと同じ手続に従って、
 認知された子の監護者を話し合いによって決めることができる。



認知請求権を放棄させる契約の無効などは、
条文からだけでは分かりにくいのですが、
当然といえば当然なことです。


いずれにせよ、
真実の親子関係・・・
それが各条文のベースになっていますね。

それではその、真実の親子関係とは?

疲れてきたので今回はこの辺で。


SO BE IT !



  第789条 (準正)

① 父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。
② 婚姻中父母が認知した子は、
 その認知のときから、嫡出子の身分を取得する。
③ 前二項の規定は、子が既に死亡していた場合について準用する。



・ ① → 婚姻準正 入籍届けを出すことによりその子も父母の籍に入る。
 ② → 認知準正 認知届だけで嫡出子となる。
 
・ 準正された子は、婚姻届または認知届に基づいて
 改氏入籍が行われるので、この子は、直ちに父母の氏を称することができる。
 家庭裁判所の許可は不要。
・ 第783条二項・・・死亡した子でも直系卑属があるときに限り。



  第790条 (子の氏)

① 嫡出である子は、父母の氏を称する。
 ただし、
 子の出生前に父母が離婚したときは、
 離婚の際における父母の氏を称する。

② 嫡出でない子は、母の氏を称する。


・ 子が生れる前に父母が離婚した場合、
 引き続き婚姻時の氏を称している親、つまり、
 婚姻前の氏に戻らない親の戸籍に記載される。

・ 戸籍法第52条一項
 嫡出子出生の届出は、父又は母がこれをし、
 子の出生前に父母が離婚をした場合には、
 母がこれをしなければならない。

・ 父の認知により法律上の父子関係は発生するが、
 氏と戸籍はそのままであり、
 次の791条の手続を経なければ、
 その子は父の氏を称することはできない。





  第791条 (子の氏の変更)

① 子が父又は母と氏を異にする場合には、
 子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより
 届け出ることによって、
 その父又は母の氏を称することができる。

② 父又は母が氏を改めたことにより
 子が父母と氏を異にする場合には、
 子は、父母の婚姻中に限り、前項の許可を得ないで、
 戸籍法の定めるところにより
 届け出ることによって、
 その父母の氏を称することができる。

③ 子が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、
 これに代わって、前二項の行為をすることができる。

④ 前三項の規定により氏を改めた未成年の子は、
 成年に達したときから一年以内に
 戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、
 従前の氏に復することができる。


・ 子の父母が離婚又は死別により、父又は母が、婚姻前の氏に戻る。
・ 父又は母が、再婚し氏を改める。
・ 嫡出でない子が、父に認知された場合。
・ 養子である父母が、離縁により元の氏に戻る場合。

・ 791条により氏を変更した未成年の子は、
 家庭裁判所の許可を得ずに、
 成年に達してから一年以内に限り変更前の氏に復することができる。

戸籍法第107条 (氏の変更)




第790条一項の前半が至極スムーズな流れです。

子供と親の姓は同じもの。
それが当たり前と思いがちですが、
790条一項前半の場合を除けば、
いろんなパターンを経て、
子の姓=氏はきまるわけですね。

名も大事。姓も大事。
と、
顔なしは思うわけです。


SO BE  IT !





忍者ブログ [PR]
ブログ内検索
フリーエリア
忍者ポイント広告
バーコード
アクセス解析
カウンター