親族相続法の私家版復習ノート
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第782条 (成年の子の認知)
成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。 ・ 子が親の扶助を必要とするときに子とは認めず、 手がかからない青年になった後、子から扶養してもらおうといった、 親の身勝手を許さないため。 戸籍法第38条一項 PR
第783条 (胎児又は死亡した子の認知)
① 父は、胎内に在る子でも、認知することが出来る。 子の場合に於いては、母の承諾を得なければならない。 ② 父又は母は、死亡した子でも、 その直系卑属があるときに限り、認知することが出来る。 この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、 その承諾を得なければならない。 ・ 父が胎児を認知することは、 子の出生前に父が死亡するような場合に子の利益となる。 ・ 母の承諾が必要。 ・ 胎児を認知する届出は、胎児の出世後、 出生届がなされ、戸籍に記載される。 ・ 死んだ子に子または孫がある場合には、 死んだ子の子や、孫の利益にかなうので認知できる。 ・ 死んだ子に成年に達した子が数人あり、 認知を承諾する者、承諾しない者がある場合には、 父と死んだことの親子関係がまず発生し、 認知を承諾した者は父の孫となり、そうでない者は、 孫とはならない(血族関係が発生しない)。 第784条 (認知の効力)
第785条 (認知の取消しの禁止)
認知をした父又は母は、その認知を取消すことができない。 ・ 認知は親子関係を発生させるものだから、慎重にすべきであり、 いったん発生した親子関係を不安定なものにしてはならない。 ・ 詐欺や強迫によって認知した場合でも、 本当に親子関係があるのであれば、取消すことができない。 ・ 詐欺や強迫によって認知した場合に、 真実の親子関係がないのであれば、 認知無効の訴えによって覆すしかない。 ・ 認知者の意思に基づかない認知は、 たとえ真実の親子関係があっても無効である(最高判昭五二・二・一四)。
第786条 (認知に対する反対の事実の主張)
子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することが出来る。 ・ 認知によって相続権を失うものや、扶養の義務を負う者。 ・ 認知者自身も。 ・ 調停前置主義による。
第787条 (認知の訴え)
子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、 認知の訴えを提議することができる。 ただし、 父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、 この限りでない。 ・ 父のほうからすすんでする任意認知と、 子の方から強制的に認知をさせる強制認知(裁判認知)とがある。 ・ 調停前置主義。 ・ 嫡出でない子の父が、 家庭紛争を未然に防ぐために、嫡出でない子やその母に、 金品を与え、認知の訴えを提起させないように約束させるなど、 認知請求権を放棄させる契約は、無効である。 第788条 (認知後の子の監護に関する事項の定め等)
第789条 (準正)
① 父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。 ② 婚姻中父母が認知した子は、 その認知のときから、嫡出子の身分を取得する。 ③ 前二項の規定は、子が既に死亡していた場合について準用する。 ・ ① → 婚姻準正 入籍届けを出すことによりその子も父母の籍に入る。 ② → 認知準正 認知届だけで嫡出子となる。 ・ 準正された子は、婚姻届または認知届に基づいて 改氏入籍が行われるので、この子は、直ちに父母の氏を称することができる。 家庭裁判所の許可は不要。 ・ 第783条二項・・・死亡した子でも直系卑属があるときに限り。
第790条 (子の氏)
① 嫡出である子は、父母の氏を称する。 ただし、 子の出生前に父母が離婚したときは、 離婚の際における父母の氏を称する。 ② 嫡出でない子は、母の氏を称する。 ・ 子が生れる前に父母が離婚した場合、 引き続き婚姻時の氏を称している親、つまり、 婚姻前の氏に戻らない親の戸籍に記載される。 ・ 戸籍法第52条一項 嫡出子出生の届出は、父又は母がこれをし、 子の出生前に父母が離婚をした場合には、 母がこれをしなければならない。 ・ 父の認知により法律上の父子関係は発生するが、 氏と戸籍はそのままであり、 次の791条の手続を経なければ、 その子は父の氏を称することはできない。 第791条 (子の氏の変更) |
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