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親族相続法の私家版復習ノート
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  第977条 (伝染病隔離者の遺言)

 伝染病のため行政処分によって
交通を断たれた場所に在る者は、
警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって
遺言書を作ることができる。


・ 遺言自体は自筆である必要はないが、
 遺言者・筆者・立会人・証人が
 遺言書に署名・捺印する。→ 980条

・ 家庭裁判所の検認が必要。

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 第978条 (在船者の遺言)

船舶中に在る者は、
船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会いをもって
遺言書を作ることができる。


・ 事務員…航海士、機関士、通信長、通信士など
 船員法に定められた職員。

 第979条 (船舶遭難者の遺言)

① 船舶が遭難した場合において、
 当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、
 証人二人以上の立会いをもって
 口頭で遺言をすることができる。

② 口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、
 遺言者は、
 通訳人の通訳により
 これをしなければならない。

③ 前二項の規定に従ってした遺言は、
 証人が、その趣旨を筆記して、
 これに署名し、印を押し、かつ、
 証人の一人又は利害関係人から遅滞なく
 家庭裁判所に請求して
 その確認を得なければ、その効力を生じない。

④ 第976条第5項の規定は、
 前項の場合について準用する。


・ 死亡の危急と船舶遭難とが合わさった場合であるから、
 方式の厳格さも緩和されている。

 第980条 (遺言関係者の署名及び押印)

 第977条及び第978条の場合には、
遺言者、筆者、立会人及び証人は、
各自遺言書に署名し、印を押さなければならない。


・ 伝染病隔離者遺言や在船者遺言の場合には、
 危急時遺言と異なり、
 筆記者、立会人、証人、そして遺言者は、
 各自が署名押印をしなければならない。

 第981条 (署名又は押印が不能の場合)

 第977条から第979条までの場合において、
署名又は印を押すことのできない者があるときは、
立会人又は証人は、
その事由を付記しなければならない。


・ 隔絶地にある関係者が署名・押印不可能な場合

・ 「証人Aは怪我により手が不自由な状態にあったため、
 署名・押印することができなかった・・・」 など。

 第982条 (普通の方式による遺言の規定の準用)

第968条第2項及び第973条から第975条までの規定は、
第976条から前条までの規定による遺言について
準用する。


・ 968条2項 遺言の加除・訂正・変更について
・ 973条   成年被後見人の遺言
・ 974条   証人及び立会人の資格
・ 975条   共同遺言の禁止

 第983条 (特別の方式による遺言の効力)

第976条から前条までの規定によりした遺言は、
遺言者が
普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から
六箇月間生存するときは、
その効力を生じない。

・ 死亡危急者遺言、伝染病隔離者遺言、
 在船者遺言、船舶遭難者遺言は、
 やむをえない事情のもとに、特に臨時に
 遺言の方式を簡易にしたものであるから。

・ 普通方式によって遺言をすることができるようになった時
 死亡の危急を免れた時
 交通遮断の行政処分が解かれて移動が自由になった時
 本国又は日本領事の駐在する外国の領土に上陸した時
 死亡の危急を免れかつ、
 本国又は日本領事の駐在する外国に上陸した時

 第984条 (外国に在る日本人の遺言の方式)

日本の領事の駐在する地に在る日本人が
公正証書又は秘密証書によって遺言をしようとするときは、
公証人の職務は、
領事が行なう。


・ 外国に住所、居所を有する者に限られず、
 旅行者なども含まれる。

・ 在外日本人も特別方式による遺言をすることができる。

 第3節 遺言の効力


  
第985条 (遺言の効力の発生時期)

① 遺言は、
 遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。

② 遺言に停止条件を付した場合において、
 その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、
 遺言は、
 条件が成就した時からその効力を生ずる。


・ 遺言者が死亡する以前に条件が成就している場合は、
 無条件に効力を生ずる。

・ 遺言は意思表示であるから、
 解除条件、期限をつけることも可能。

  第986条 (特定遺贈の放棄)

① 受遺者は、
 遺言者の死亡後、いつでも、
 遺贈の放棄をすることができる。

② 遺贈の放棄は、
 遺言者の死亡の時にさかのぼって
 その効力を生ずる。


・ 特定遺贈の放棄とその効力についての規定。
 特定遺贈とは、
 目的物と財産的利益の特定がなされた遺贈。

・ 遺贈は、
 遺言者の死亡によって当然に効力が発生するが、
 受遺者の意思を無視して強制されるべきではないから。

・ 遺言者の死亡後であれば、
 いつでも放棄することができるし、
 方式も定められていないが、
 承認・放棄の意思表示は、
 遺贈義務者にすべきものとされている。



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