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親族相続法の私家版復習ノート
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  第828条 (財産の管理の計算)
 
子が成年に達したときは、
親権を行った者は、遅滞なく
その管理の計算をしなければならない。
ただし、
その子の養育及び財産の管理の費用は、
その子の財産の収益と相殺したものとみなす。
 
 
 
・ 未成年の子の財産とは、
 未成年者が相続や遺贈などによって取得したり、
 第三者から贈与を受けた場合のほか、
 親権者からの贈与をも含む。
 
 
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  第829条 (財産の管理の計算2)
 
前条ただし書の規定は、
無償で子に財産を与える第三者が
反対の意思を表示したときは、
その財産については、
これを適用しない。
 
 
 
・ 828条の相殺の規定は、
 必ずしも厳格に解釈・実行されるとは限らないので、
 無償で子に財産を贈ろうとする第三者が
 思い止まることがないように。
・ この場合、
 親権者が子の財産の管理をすることは認めるが、
 養育費、財産管理費と子の財産の収益との相殺を認めない。
・ 第三者とは、
 親権者以外の者であり、
 父だけが親権者である場合には、親権者でない母も
 本条における第三者である。
・ 無償とは対価を伴わず、したがって
 贈与、遺贈で対価、条件の付かないもの。
 
・ 829条の意思表示は、
 財産授与の時にしなければならない。
 贈与の意思表示や、遺言において。
 
 
  第830条 (第三者が無償で子に与えた財産の管理)

① 無償で子に財産を与える第三者が、
 親権を行う父又は母に
 これを管理させない意思を表示したときは、
 その財産は、
 父又は母の管理に属しないものとする。

② 前項の財産につき
 父母がともに管理権を有しない場合において、
 第三者が管理者を指定しなかったときは、
 家庭裁判所は、
 子、その親族又は検察官の請求によって、
 その管理者を選任する。

③ 第三者が管理者を指定したときであっても、
 その管理者の権限が消滅し、
 又はこれを解任する必要がある場合において、
 第三者が更に管理者を指定しないときも、
 前項と同様とする。

④ 第27条から第29条まで(不在者の財産管理人の権利義務)
 の規定は、
 前二項の場合について準用する。


 
・ 829条は親権者の財産管理に厳格さを求める規定。
・ 第三者から無償で子に与えられた財産に対する
 親権者の財産管理を禁じる規定。
・ 第三者の意思表示は、子に対して行われれば
 親権者にする必要はない。
・ 本条により財産の管理を禁止された親権者は、
 その第三者からの財産について管理できないだけでなく、
 子を代理して法律行為をすることができない。
 
・ 財産の管理を指定されたものは、
 827条の親権者の管理(自己のためにすると同一の注意)ではなく、
 善良なる管理者の注意を払う必要がある。
 
・ 指定管理者の管理権限の範囲は、
 財産授与者が定める。
 範囲の定めが無いときは、
 保存行為および、目的物の性質を変じない範囲内において
 利用または改良を目的とする行為だけ(103条)。
・ 指定権者あるいは家庭裁判所の許可を得た場合には、
 範囲を超える行為も可能。

・ 27~29条
 収支の計算
 財産目録の調整
 財産管理における担保の提供
 報酬 等
 
 
 

  第831条 (委任の規定の準用)

第654条(委任の終了後の処分)及び
第655条(委任の終了の対抗要件)の規定は、
親権を行う者が子の財産を管理する場合及び
前条の場合について準用する。

 
 
・ 654条・・・委任契約終了後における受任者の義務
 委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、
 受任者又はその相続人もしくは法定代理人は、
 委任者又はその相続人若しくは法定代理人が
 委任事務を処理することができるに至るまで、
 必要な処分をしなければならない。
・ 655条・・・委任契約終了の通知義務
 委任の終了事由は、
 これを相手方に通知したとき、又は
 相手方がこれを知っていたときでなければ、
 これをもってその相手方に対抗することができない。
 
・ 654、655の委任者は、子(未成年者)。
 受任者は、親権者又は財産管理人。
 
 

 

 

  第832条 (財産の管理について生じた親子間の債権の消滅時効)

① 親権を行った者と
 その子との間に財産の管理について生じた債権は、
 その管理権が消滅した時から5年間これを行使しないときは、
 時効によって消滅する。

② 子がまだ成年に達しない間に管理権が消滅した場合において
 子に法定代理人が無いときは、
 前項の期間は、
 その子が成年に達し、
 又は後任の法定代理人が就任した時から起算する。

 

・ 親権者又は財産管理人との間に生じた債権についての時効は5年。
 債権を行使しうるときからでなく、
 管理権がなくなった時(ex 親権喪失)ときから計算する。
・ 子が成年に達しない間、あるいは子に法定代理人が無い場合には、
 子が成年に達した時、あるいは、後見人または財産管理人が就職し、
 その事務を始めた日から5年。
・ 子も親に対して損害賠償(415条)しうる。

 

 

  第833条 (子に代わる親権の行使)

親権を行う者は、
その親権に服する子に代わって
親権を行う。

 
 
・ ナゾナゾのような条文ですが、冷静に。
 
・ 未成年者B子が子Cを生んだ場合、
 B自身がその親Aの親権に服しているので、
 BがCの親権を行うのは適当ではないから、
 AがCに対する親権を行う。
 つまり、
 祖父母が孫の親権を行う。
・ 未成年者とはいえ、Bが結婚している場合には
 成年と擬制する(753条)ので、
 このケースには該当しない。
 
 
 

 

    第3節 親権の喪失


  第834条 (親権の喪失の宣告)

父又は母が、親権を濫用し、
又は著しく不行跡であるときは、
家庭裁判所は、
この親族又は検察官の請求によって、
その親権の喪失を宣告することができる。


・ 親権の濫用
 職業許可権の濫用(子に売春をさせるなど)
 懲戒権の濫用(子に社会通念から逸脱した暴力を加える)
 財産管理権の濫用(子の財産を浪費し使い込む)
 など

・ 著しい不行跡
 親の薬物依存・中毒 など

・ 親権は子の利益のために認められた権利であり義務である(820)。
・ 親権を喪失したとしても、
 親子としての扶養関係や相続関係には影響が無い。


福岡市の高齢者保健・福祉についてのサービス・施策

 

  第835条 (管理権の喪失の宣告)

親権を行う父又は母が、
管理が失当であったことによってその子の財産を危うくしたときは、
家庭裁判所は、
子の親族又は検察官の請求によって、
その管理権の喪失を宣告することができる。


・ 834条は親権の全部を剥奪する場合。
・ 子の監護教育はそのまま行わせ、
 子の財産管理は行わせないとするのが本条。
・ 管理権喪失の宣告が行われると、
 財産の管理、財産に関する法律行為についての
 代理権・同意権、収益権を失う。
・ 後見人を指定することも、後見人になることもできない。

・ 親権>財産管理権(親権の一部)


福岡での車庫証明

 

  第836条 (親権又は管理権の喪失の宣告の取り消し)

前二条に規定する原因が消滅したときは、
家庭裁判所は、
本人又はその親族の請求によって、
前二条の規定による親権又は管理権の喪失の宣告を
取り消すことができる。



・ 834条・835条によって一度失権した場合でも、
 親権喪失・財産管理権喪失の原因となった事情がなくなったと判断される場合には、

 親権・管理権を失った親本人、または親族が家庭裁判所に
 申し立てることができる(検察官は認められない)。

借用書・借用証書・個人間のお金の貸し借り

 

  第837条 (親権又は管理権の辞任及び回復)

① 親権を行う父又は母は、
 やむをえない事由があるときは、
 家庭裁判所の許可を得て、
 親権又は管理権を辞することができる。

② 前項の事由が消滅したときは、
 父又は母は、
 家庭裁判所の許可を得て、
 親権又は管理権を回復することができる。

・ 親権の辞任を強要されることが無いように、
 必ず家庭裁判所の審判による。
・ 旧法では、いったん辞任すると回復することができなかった。

・ やむをえない事由
 海外出張などの長期の不在、重病 など

・ 家庭裁判所の辞任の許可は、
 その旨を戸籍事務を管掌する市町村長に届出なければならない。
 戸籍法80条


福岡での遺言・相続手続き

 



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