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親族相続法の私家版復習ノート
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  第802条 (縁組の無効)

縁組は、次に掲げる場合に限り、無効とする。

一 人違いその他の事由によって
   当事者間に縁組をする意思がないとき。

二 当事者が縁組の届出をしないとき。
  ただし、
  その届出が第799条において準用する第739条第二項に定める方式を
  欠くだけであるときは、
  縁組は、そのためにその効力を妨げられない。


・ 芸娼妓養子
 通学の便宜のための越境入学目的
 家格の引き上げだけを目的とする縁組
 縁組をする要素としたものに錯誤がある縁組
 当事者が知らない間に届け出られた縁組
 などが、無効の縁組となるが、ケースバイケース。

・ 縁組の無効は、当然に無効であり、
 当事者及び
 第三者(自己の身分関係に関する地位に直接影響を与えるような訴えの利益がある者)は、
 無効の判決のない間でも無効を主張できる。



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  第803条 (縁組の取消し)

縁組は、次条から第808条までの規定によらなければ、
取消すことができない。


・ いったん成立した養親子関係を安易に取消すことができるとすると、
 身分関係が不安定になるので、
 その要件は厳格なものとなる。
・ 調停前置主義

縁組取消しの届出・・・戸籍法第69条



  第804条 (養親が未成年者である場合の縁組の取消し)

第792条の規定に違反した縁組は、
養親又はその法定代理人から、
その取り消しを家庭裁判所に請求することができる。
ただし、
養親が、成年に達した後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、
この限りでない。


・ 誤まって未成年者が養親になる
 養子縁組届出が受理された場合の規定。
・ 養親が20歳に達した後、6ヶ月を経過したり、追認したときは、
 取消すことができなくなる。


 

  第805条 (養子が尊属又は年長者である場合の縁組の取消し)

第793条の規定に違反した縁組は、
各当事者又はその親族から、
その取消しを家庭裁判所に請求することができる。


・ 養親、養子、それらの親族が取消しを請求することができる。
・ 公益を理由とするため、
 126条の消滅時効に関する規定も適用されず、
 期間の制限がない。
・ 養親または養子の死亡後も、
 その親族から取消しの請求ができるが、
 原告が死亡すれば、訴訟も終了する(一身専属権)。

・ 親族・・・725条



  第806条 (後見人と被後見人との間の無許可縁組の取消し)

① 第794条の規定に違反した縁組は、
 養子又はその実方の親族から、
 その取消しを家庭裁判所に請求することができる。
 ただし、
 管理の計算が終わった後、養子が追認をし、
 又は六箇月を経過したときは、この限りでない。

② 前項但書きの追認は、養子が、
 成年に達し、又は行為能力を回復した後にしなければ、
 その効力を生じない。

③ 養子が、成年に達せず、
 又は行為能力を回復しない間に、
 管理の計算が終わった場合には、
 第一項但書きの期間は、養子が、成年に達し、
 又は行為能力を回復したときから起算する。


・ 家庭裁判所の許可を得ずに、
 後見人が被後見人と養子縁組をして、
 誤まって受理された場合には、
 養子又はその実親側の親族だけが縁組の取消しを請求することができる。
・ 養親になって、
 後見人としての管理をごまかし、
 その後で縁組を取消すことを防ぐため、
 養親は取消しを請求できない。
・ 追認は、特別の様式を必要としない。




  第806条の二 (配偶者の同意のない縁組等の取消し)

① 第796条の規定に違反した縁組は、縁組の同意をしていない者から、
 その取消しを家庭裁判所に請求することが出来る。
 ただし、
 その者が、縁組を知った後六箇月を経過し、又は
 追認したときは、この限りでない。

② 詐欺又は強迫によって第796条の同意をした者は、
 その縁組の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
 ただし、
 その者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後六箇月を経過し、又は
 追認をしたときは、この限りでない。

・ 配偶者の同意のない縁組
・ 配偶者に詐欺又は強迫によって縁組を同意させた場合




  第806条の三 (子の監護をすべき者の同意のない縁組等の取消し)

① 第797条第二項の規定に違反した縁組は、
 縁組の同意をしていない者から、
 その取り消しを家庭裁判所に請求することができる。
 ただし、
 その者が追認をしたとき、又は
 養子が十五歳に達した後六箇月を経過し、
 若しくは追認をしたときは、
 この限りでない。

② 前条第二項の規定は、
 詐欺又は強迫によって第797条第二項の同意をした者について
 準用する。

・ 監護権者の同意を得ずになされた代諾縁組の取消し。
・ 監護者は戸籍に表示されないので、
 その同意を得ない縁組がなされることがあり得る。
・ 監護者の同意が詐欺又は強迫によってされた場合は、
 第806条の二第二項が準用される。

  第807条 (養子が未成年者である場合の無許可縁組の取消し)

第798条の規定に違反した縁組は、
養子、その実方の親族又は
養子に代わって縁組の承諾をした者から、
その取り消しを家庭裁判所に請求することができる。
ただし、
養子が、成年に達した後六箇月を経過し、
又は追認をしたときは、
この限りでない。


・ 797条の代諾縁組によって養子縁組をした場合に、
 養子が既に満15歳になっている場合には、
 養子自身が807条の請求をすることができる。
・ 807条の追認も、
 特別の様式を必要としない。



  第808条 (婚姻の取消し等の規定の準用)

① 第747条(詐欺又は強迫による婚姻の取消し)及び
 大748条(婚姻の取消しの効力)の規定は、
 縁組について準用する。
 この場合において、
 第747条第二項中「三箇月」とあるのは、
 「六箇月」と読み替えるものとする。

② 第769条(離婚による復氏の際の権利の承継)及び
 第816条(離縁による復氏等)の規定は、
 縁組の取消しについて準用する。


・ 747条の規定が準用され、取消すことができるのは、
 詐欺又は強迫を受けた養親又は養子のみ。
・ 養子が15歳未満の場合は、代諾した者も請求できる。

・ 縁組の取消しの効果は、遡及することなく、
 取消された後の養親子関係がなくなるだけである。

・ 養子縁組当時に、
 取消し原因のあることを知らなかった当事者が、
 縁組によって財産を得たときは、
 現に利益を受けた限度で返還する必要がある。
 取消し原因のあることを知っていた当事者は、
 縁組によって得た財産の全部について返還義務があり、かつ、
 相手方が善意であったときは、
 損害賠償の責任を負う。

・ 縁組が取消されれば、養子は縁組前の氏に戻る。
・ 祭祀財産は、関係人の協議により引継ぐものを決めるが、
 協議が成立しない場合には、
 家庭裁判所の審判により決する。


 

  第809条 (嫡出子の身分の取得)

養子は、縁組の日から、
養親の嫡出子の身分を取得する。


・ 法律上の血族関係を生じ、嫡出子とされるので、
 実の親子と同様に、扶養・相続などの関係が生じる。
・ 養子と実父母側との親族関係は変動しないが、
 未成年の子の親権者には養父母がなる。
・ 養親と養子の実父母側の親族との間には、
 親族関係は生れないので、
 養子縁組前に生れた養子の子には、
 養親との血族関係は生じない。
 つまり、養親の孫ではない。

 



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